青葉台通信

作者プロフィール:大阪大学医学部卒、大阪大学附属病院・ピッツバーグ大学メディカルセンター等での勤務後、現在は福山にて地域医療に従事。 様々ながんの入り口から出口までのケアと、生活習慣病から看取りまで、「不安を取り除く」「患者さんに寄り添える」医療のあり方を日々模索しています。 こちらのブログでは、日常診療で感じたこと、学んできたこと等、日記でお伝えする予定。趣味はバイク、好物はマンゴーと杏仁豆腐。

2012年07月

先月、横浜で学会に参加すると同時に実は受けてきた「日本抗加齢医学会認定専門医」試験。
もし不合格だったら....
と、びびっていたので公開しておりませんでしたが、
無事合格通知を受け取ることが出来ました!!

同時に、忙しい中難しい試験勉強を頑張ってくれたスタッフTにも、認定指導士の合格通知が来たようです。
おめでとう! お疲れ様でした!!(某、新潟の先生の真似

と言うわけで、明日からでも早速アンチエイジング外来を!!
と言いたいところですが、只今準備中であります。
もうしばらくお待ちください。

昨年3月に書いた記事「慢性便秘の薬」

http://aoba.ldblog.jp/archives/51745596.html

この中で出て来た”ルビプロストン”がようやく日本で発売される(製造承認)となったようで、9月から使えるようになるとのことです。

先月のFMではちょうど”便秘の話し”をさせてもらいましたが、この新たな薬を手に入れた状態で今後の慢性便秘との戦いはどうなっていくのか!?
個人的にも期待大です(私が便秘ということでは無く

それにしてもやはりドラッグラグ(他国で承認されている薬が、日本で使える様になるまでの手続き等に要する期間のこと)の長いのは、まだまだ変わっていない様子です。

来年スタート予定の、成人夜間診療所(現在の福山市医師会夜間小児診療所横に立つ予定)の備品打ち合わせがあり、仕事終わってから22時くらいまで参加して参りました。

この診療所では、内科がもちろんメインとなりますが、外科系の医師がいる場合は簡単な処置には対応予定となっています。
そんな中、昨日準備品を見ていたらリストの中に「ソフラチュールガーゼ」が!!

剥がすと痛いソフラチュールガーゼが好みの方もおられるかもしれないし、他の先生の治療方針を云々いう立場ではありませんので、こっそり”湿潤療法”の初期対応に必要な物品をリストに加えましたとさ。

これで、成人夜間診療所でも湿潤療法対応が出来ます
(ただし応対する医師に寄るという難点もありますが...)

最近よく耳にする「アンチエイジング」「抗加齢」といった言葉。
なんだか胡散臭いエステや健康食品にも使われているので、怪しげなイメージでとらえられがちです。

私の所属している学会の一つに、日本抗加齢医学会というのがあります。
別名”アンチエイジング学会”です。

ここでは、別に不老不死を求めているわけでも何でも無く、健康寿命をのばしてやりましょうということを目標にいろんな事をやってます。(病気のこと、運動のこと、サプリメントのこと、栄養のこと等々)
年齢を経て老いることはすべての人に共通して避けられないことではあります。
でも、同じ年齢の人でも見た目・体・筋肉・骨それぞれ幅があります。
老いるのは仕方がないことだけれども、そのなかでも少しでも良い(=若い)状態を保っておきたい、これがオプティマルへルスを目指す抗加齢医学ですし、そうありたいと思っている方は多いのではないでしょうか?

ちょうど、先日の朝日新聞日曜版に挟まれているGLOBEにも特集がありました。

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こちらのブログでも、また情報をボチボチと流していく予定です。

おもしろい記事を見つけました。

飲酒しなくても発症する非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)に、肥満→食欲抑制ホルモン・レプチン分泌→腸内細菌からのLPSに過敏に反応→肝炎発症、というメカニズムがありそうとのこと。

歯周病→  →  →心筋梗塞のメカニズムにも、もしかしたらこのレプチンによる過敏性の亢進が大きく関係しているかもしれないですね。

太るといろんな事がおきますね。
日本人は軽度肥満でもレプチンの分泌は増加しやすいので、より要注意ですね。

太っている人は、是非かかりつけの歯医者さんも持っておきましょう。


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太っているだけで肝炎に 横浜市立大などが解明

2012年7月5日 共同通信社 カテゴリ: 消化器疾患・内分泌・代謝疾患・アレルギー疾患
 横浜市立大や大阪大などの研究チームは4日、飲酒しなくても発症する非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)について、太っている人の肝臓が腸内細菌に過敏に反応することで肝炎を発症するメカニズムを初めて突き止めたと発表した。

 研究チームによると、NASH患者はメタボリック症候群に該当する人を中心に全国で200万人以上に上るが、原因などが分からず、有効な治療法がなかった。今回の研究成果で、治療薬開発などが進みそうだ。

 研究チームは、肥満になると脂肪細胞から多量に分泌される食欲抑制ホルモンのレプチンの影響で、肝臓が血液中の腸内細菌毒素リポポリサッカライド(LPS)に過敏に反応し、肝炎を発症することをマウスの実験で確認したという。

 チーム長の中島淳(なかじま・あつし)横浜市立大教授(消化器内科)は「花粉症患者のように肥満者が細菌に過敏反応することが分かった。治療法や診断法の開発に役立てたい」と話している。

 論文は4日付米科学誌セル・メタボリズムオンライン版にも掲載した。

※非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)

 酒を多く飲まなくても肝臓に中性脂肪がたまる非アルコール性脂肪肝(NAFLD)が進行して炎症を起こす病気。重症化すると肝硬変や肝臓がんに進行する。1990年代以降急激に増え、全国で1千万人以上とされるNAFLD患者の1〜2割がNASHを患う。糖尿病や肥満、高血圧の患者が併発するケースが多い。

世の中の例にもれず、X線撮影装置(いわゆるレントゲン撮影装置)もかなりの勢いでデジタル化されていっています。
撮影をデジタルで行い、フィルムに焼き付けずモニターでそのまま撮影された物を読む(読影)という方法がかなり普及してきてきました。

マンモグラフィは、撮す画像の特殊性からデジタル化が普通の装置より遅れています(←要はまだまだ高いと言うこと)。撮影装置はかなりデジタルに置き換わってきていますが、モニター診断(ソフトコピー診断とも言います)はようやくこれからといったところ。

そんな中で、福山市医師会健診センターの装置は今年からフルデジタル化を果たし、健診の診断に使われるようになりました。昨年デジタルマンモグラフィ読影講習会に参加して、一応読影資格のありということで私も本日から読影参加です。

モニターを使ってのマンモグラフィ診断は、「楽」!です。
読影で一番のストレスが、フィルムの掛け替え(シャウカステンという光の出る箱の前にフィルムを挟み込む操作)だったので、それがクリック1つで終わるのがとにかく有り難いです。

節電のためクーラーを切られた暗い密室で、夜遅くにゴソゴソと作業しないといけないのが玉に瑕ですかね。



後は、自分のところもはやくフルデジタルですねー
(なんせ、数百万円〜一千万円のものですのでなかなか...

広島県医師会長が急逝され、急遽県医師会長選挙が行われることとなりました。
医師会員約50名に1名の代議員が選ばれ、代議員による投票が行われるこの選挙。

前回私は全く関係の無い立場だったのですが、4月から代議員の補欠(みたいなもの)になったことにより、今回投票を行う事となってしまいました。
昨日はその立候補された先生方の立ち会い演説会。

じっくりと聞かせていただきましたが、
悩むところです。

いずれにしても思うのが、県医師会お金貯め込んでるなー!という部分。
自分自身で稼ぎ出したものでは無いお金を使い始めると歯止めが無いんですね。

以上、独り言。

本日より、青葉台クリニックのリハビリ室にPT(理学療法士)さんが一人増えました。

はつらつと頑張っている様子です。さすが、20代

色んな場面で、頑張ってもらいましょう。
(決して、こき使おうと思っているわけではございません

何はともあれ、彼がうちに来るきっかけとなってくれた方に感謝感謝です。

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