青葉台通信

作者プロフィール:大阪大学医学部卒、大阪大学附属病院・ピッツバーグ大学メディカルセンター等での勤務後、現在は福山にて地域医療に従事。 様々ながんの入り口から出口までのケアと、生活習慣病から看取りまで、「不安を取り除く」「患者さんに寄り添える」医療のあり方を日々模索しています。 こちらのブログでは、日常診療で感じたこと、学んできたこと等、日記でお伝えする予定。趣味はバイク、好物はマンゴーと杏仁豆腐。

2013年04月

こちらもいよいよ始まります。
広島県の旗振りで始まった「ひろしま医療情報ネットワーク(HMネット)」を利用して、福山では「くわいネット」という地域健康医療情報ネットワークシステムが動き出します。
いろいろなしがらみからまだオープンに出来ませんでしたが、新聞・テレビ発表もされたことですし、広めていきたいと思っています。

20130330_HMネット新聞記事


くわいネットで何が出来るのか?というと、まず、Aクリニックで検査した検査結果が福山市医師会検査センターに登録したものであれば、Bクリニックに行った際にカードを提示してバーコードを読み取ってもらうと、Bクリニックの先生にも検査結果を見てもらえます。つまり”もう一度検査”の重複が無くなります。

また、福山市医師会検診センターで受けた検診結果もデータが入るので、かかりつけ医の先生に検診結果を生データでみてもらう事も出来ます。肺がん検診・胃がん検診・乳がん検診の画像なども見られます。

私にとって一番のメリットは、福山市民病院で行った検査・投薬などが見られるようになる事です(6月頃の予定)。これには、もう一枚”診療情報開示カード”が必要になるのですが、様々な患者さんで連携をしていますので、手紙が郵送(又はFax)で送られて来るのを待つよりも早く情報が得られ助かります。

福山市内ではまず試験運用として30の医療機関と福山市民病院で始まります。
くわいちゃんのマークが貼ってあるところが、参加医療機関です。
もちろん(?)うちのクリニックも参加してます。

立ち上げに少なからず係わっているだけに、発展していってくれること期待してます。

がんにはオーダーメイド治療という、癌の性質に合わせた抗がん剤を組み合わせて行う方法が行われてきています。

栄養療法や運動療法も従来の画一的なものではなく、その人の持つバックグラウンド(疾病の有無や年齢など)を考慮した上での、オーダーメイド的かつ選択の出来る要素を持った食事運動療法が今後は行われていく事になるでしょう。
私の所属する、日本抗加齢医学会では独自にそのような食事運動療法ガイドラインを設けようとの動きが出てきている様子です。先日、講演会を聴きに行った糖質制限で有名な北里病院の山田先生も参加されているようで期待が持てます

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アンチエイジングドック、検査の紹介です。

続いては、体組成計。
一般的には「体脂肪率」「筋肉率」などを測りますが、アンチエイジングドックの中では主に大腿部(太もも)付近の筋肉量を測定し、”筋年齢”を調べます。
足腰の衰えが一番顕著に出るのが大腿周囲の筋肉であり、高齢者の方はすらっと細い足になって来てしまってます。女性の方に多い変形性膝関節症の痛みも、この部分の筋肉の衰えが関係してます。

長期の寝たきりの方の大腿部は殆ど筋肉が落ちてしまっています。
やはり運動して筋肉に刺激を与える事が大切。

特定健診の方の体脂肪率・筋肉率や、リハビリが必要な方の筋肉量等も興味深いところです。

アンチエイジングドック、検査の紹介です。

ウィスコンシンカードソーティングテストでは、神経年齢を調べます。
「数」「色」「形」のうちコンピューターが考えている条件に一致したカードを予測しながら選んでいきます。正解に辿り着いてしばらくすると、また条件を変えてくるのでそれに対応しなければなりません。
つまり、柔らかい頭を持っているかどうか、情報をきちんと整理できる頭を持っているかどうかが試されるテストです。

写真

試しにやってみましたけれど、結構集中力が要りますね

平成25年4月1日、新しい年度も今日からスタートです。
有料老人ホーム「ハウスカ青葉」もお陰様で1周年を迎えることが出来、順調に来ています。

クリニックでの新しい動きとして、今年度は「アンチエイジングドック」を始めたいと思っております。
「アンチエイジング」という言葉、最近流行の言葉でもあるのでなにやら怪しげなにおいがプンプンとしておりますが、昨年ブログにも書いた日本抗加齢医学会というきちんとした学会組織で、エビデンス(医学的に統計学的に証拠がきちんとしている)に基づいたメニューがあり、それに則って行いますので全く怪しいものではありません。
実は自分自身が一番怪しんでおりましたし

内容としては、問診票を書いていただいた後に様々な検査を行い、「筋肉年齢」「血管年齢」「ホルモン年齢」「神経年齢」「骨年令」を調べ、バランス良く年を取っているかどうか、どこか特別老化が進んでいるところは無いか調べていきます。
一番詳しい検査(オプション)を行えば、体の老化に深く関わる酸化ストレスマーカーを調べることが出来、自分に合ったサプリメントなどを知ることも出来ます。

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ベーシックコース・スタンダードコース・プレミアムコースと3段階の準備をただ今行っているところです。本格スタートし次第こちらでもお知らせしようと思っています。

老化するのは人間当たり前なのですから、それに逆らうことは出来ません。
でも、老化をマネジメントしながら上手く年を取って行く事は出来ます。
世間で「アンチエイジング」というともっぱら見た目の美容の話が多いですが、本当に必要なのは体全体のアンチエイジングであり、実際の老化は40代から始まってますので、早く手を付ければ付けるほど健康寿命を延ばすことが出来るのでは無いかと考えます。

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